ドスパラで販売されている「raytrek ZQ-A4000」をレビューします。(機材貸出元:株式会社サードウェーブ)
第12世代Core i7-12700Kに、専門性の高いGeForece RTX A4000を搭載したモデルです!高解像データ処理に加えて、CADなどを扱うクリエイター、デザイナー、エンジニアなどにも向いているモデルになります。また、拡張性やメンテナンス性にも優れており、長期間パフォーマンスを維持できるデスクトップパソコンに仕上がっています。
それでは、各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像、動画編集にかかった時間などを含めて実機レビューしていこうと思います。
raytrek ZQ-A4000の性能
公式HP:https://www.dospara.co.jp
raytrek ZQ-A4000は、ドスパラを運営するサードウェーブが販売を手掛けるクリエイター向けのデスクトップパソコンです。約37万円という価格から見ても業務用に入ってくるのは間違いないでしょう。
CPUには最新のCore i7-12700Kを採用し、RAW現像や動画編集にも強さを発揮します。
ミドルタワーの筐体を採用し、前面には控えめにブランドロゴが入ります。エレガントさこそありませんが、無骨で実用性の高い筐体だと思います。業務に余計なデザインは必要ないですからね。
フロント部分は電源ボタンやUSBが設置されており、各種デバイス接続が簡単に行えます。SDカードスロットが標準搭載なのも有難いです。USBの数は2個と控えめですので、フロント側でデバイスをたくさん接続する人には足りないかもしれません。
raytrek ZQ-A4000 スペック/パーツ構成
テストで使ったモデルの内部です。CPUクーラーは標準で静音化と冷却能力アップが期待できる水冷クーラーが採用されているのもポイントです。高性能なCPUをしっかり冷却してくれます。
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Core i7-12700K |
グラフィックス | GeForce RTX A4000 |
メモリ | 32GB |
SSD | 1TB Gen4 SSD |
電源 | 650W |
サイズ | 207(幅)×509(奥行き)×440(高さ) mm |
重量 | 約13kg |
>公式サイトで詳細を確認する |
CPUとグラフィックが高性能で、メモリやストレージ容量にも余裕をもっています。さすがプロフェッショナル利用を視野に入れたモデルといった印象です。
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-12700Kの性能
搭載されているCPUは、第12世代のCore i7-12700Kです。12コア20スレッドのCPUで、あらゆる作業を効率的に行うことが可能です。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i9-12900 | 38502 | 2.4GHz(5.1GHz) | 16コア24スレッド | 65W |
Core i7-12700K | 34631 | 3.6GHz(5.0GHz) | 12コア20スレッド | 125W |
Core i7-12700 | 31673 | 2.1GHz(4.9GHz) | 12コア20スレッド | 65W |
Core i5-12400 |
19333 | 2.5GHz(4.4GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i9-11900K | 25579 | 3.5GHz(5.2GHz) | 8コア16スレッド | 125W |
Ryzen 9 5900X |
39462 | 3.7GHz(4.8GHz) | 12コア24スレッド | 105W |
Ryzen 7 5800X | 28493 | 3.8GHz(4.7GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 5 5600X | 22161 | 3.7GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
PASSMARKの公開データによると「Core i7-12700Kのスコアは約35000」です。Core i7-12700と比較すると約10%ほど高く、Core i9-12900に迫るスコアです。
Ryzen 7 5800Xにスコアでは敗れていますが、実用レベルでどの程度の差が生まれてくるのかチェックしていきましょう。
CPU-Z ベンチマークスコア
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i9-12900 | 813.8 | 9885.0 |
Core i7-12700K | 785.5 | 9430.8 |
Core i7-12700 | 782.5 | 9021.6 |
Core i7-11700 | 659.1 | 6127.0 |
Core i9-11900K | 713.5 | 6546.1 |
Ryzen 7 5800X | 669.4 | 6739.4 |
Ryzen 5 5600X | 645.4 | 4873.0 |
シングルスレッドのスコアが785.5、マルチスレッドが9430.8となりました。シングル性能もマルチスレッドも非常に高いスコアですが、K無しモデルとの差は僅かです。
ここ最近のPCレビューを通して、インテル第12世代の優秀さには注目せざるを得ない印象です。ライバルのRyzen CPUと比較しても優位に立てています。
CINEBENCH R20 スコア
CPU | シングル | マルチ |
Core i9-12900 |
746 | 6873 |
Core i7-12700K | 747 | 8726 |
Core i7-12700 | 733 | 6215 |
Core i7-11700 | 592 | 3788 |
Core i7-10700 | 492 | 3564 |
Core i9-11900K | 645 | 5880 |
Ryzen 7 5800X | 621 | 5993 |
Ryzen 5 5600X | 599 | 4233 |
Ryzen 7 3700X | 504 | 4822 |
CINEBENCH R20のスコアはシングルで747、マルチで8726となりました。
第12世代Core i7-12700と比較するとシングルは誤差範囲、マルチでは約40%も高いスコアです。CPU-Zでは差があまり見られませんでしたが、CINEBENCH R20では大きな差が生まれています。もしかすると行う作業によって大きな差が生まれてくる可能性がありますね。
ストレージ性能
ストレージは標準構成で1TB NVMe Gen4 SSD搭載しており、容量、速度ともに満足できる水準にあります。データのやりとりが頻繁なデザイナーやクリエイターにしてみると助かるはずです。
2.5インチベイが3個、3.5インチベイが8個ほど用意されています。これだけあれば拡張性で困ることはそうないでしょう。
raytrek ZQ-A4000(RTXA4000)のグラフィック性能・ゲームスコア
raytrek ZQ-A4000に搭載されているグラフィックはGeForce RTX A4000です。ゲームでも結果を残せるパフォーマンスですが、ゲーム中心だったら素直にRTX3000番台を選ぶほうがコスパは良いでしょう。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
モデル | 設定 | 結果 |
raytrek ZQ-A4000 (RTX A4000) |
3840×2160(標準品質) | やや快適(5502) |
1920×1080(標準品質) | 非常に快適(14622) | |
raytrek ZS (RTX3050) |
3840×2160(標準品質) | 普通(3159) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(8772) | |
raytrek XV (RTX3060) |
3840×2160(標準品質) | 普通(4265) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(11713) | |
GALLERIA XA7C-R36T (RTX3060Ti) |
3840×2160(標準品質) | やや快適(5641) |
1920×1080(標準品質) | 非常に快適(14819) | |
raytrek ZF (RTX3070) |
3840×2160(標準品質) | 快適(6705) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(16314) |
重量級タイトルのFF15ですが、4K解像度でもやや快適(スコア5502)という結果になりました。RTX3000番台で言うと、RTX3060Tiあたりと競合するスコアです。
ドスパラでチェックしてみると、Core i7-12700×RTX3070の「GALLERIA XA7C-R37 Z690搭載」が税込25万円台、Core i7-12700×RTX3060Tiの「raytrek XD」が22万円台です。業務用ソフトなどをみないのであれば10万円以上安く購入できるわけです。
RAW現像にかかる時間は?
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の読み込みも速く、編集を当ててストレスなく反映されるので快適に感じました。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Core i9-12900 | 3分12秒 |
Core i7-12700K | 3分10秒 |
Core i7-12700 | 2分37秒 |
Core i7-11700 | 4分16秒 |
Core i9-11900K | 3分56秒 |
Ryzen 7 5800X | 3分46秒 |
Ryzen 5 5600X | 3分55秒 |
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「3分10秒」でした。なぜかCore i7-12700を搭載したraytrek XVに負けてしまっているのが気になります・・・
とは言え、上位のCore i9に匹敵する処理能力を見せていますので、決してパフォーマンスに劣っているという訳ではありません。動作も静かで作業に没頭できたのは嬉しいポイントでした。
動画の書き出しにかかる時間は?
動画編集ソフトResolveを使って5分程度の4K動画を書き出してみました。書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700K×RTX A4000 | 2分17秒 |
Core i9-12900×RTX3060 | 2分54秒 |
Core i7-12700×RTX3060 | 3分14秒 |
Core i7-12700×RTX3060Ti | 3分03秒 |
Core i7-11700×RTX3060 | 4分40秒 |
Core i9-11900K×RTX3070Ti | 3分24秒 |
Core i7-10700K×RTX2070S | 3分34秒 |
Ryzen 7 5800X×RX6700XT |
3分02秒 |
Ryzen 5 5600X×RX6700XT | 4分04秒 |
Core i7-12700K×RTX A4000の組み合わせですので、4K動画編集もしっかりこなせる…というか水を得た魚のように大活躍してくれるレベルです。処理時間だけなら圧倒的と言える結果を見せてくれました。
パソコンはうるさい?静音性は?
raytrek ZQ-A4000は、標準でも十分なケースファンが搭載されていますので冷却性は高いと感じました。フロントに14cm FANが2個、リアに12cm Fan、トップに14cm FANが装備されているので排熱も良好です。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
ドスパラは納期短縮に力をいれているので、早いモデルだと翌日出荷されます。本機は三日で出荷対応モデルになっていますので、すぐパソコンが欲しいという人にも嬉しいですね。
外資系PCメーカーだと数か月待たされることもあり得ます。パソコンパーツが枯渇気味の中、このスピード感が維持できるのは本当にすごいと思います。
raytrek ZQ-A4000 インターフェース
前面:USB3.0 x2
背面:USB 2.0 ×2 、USB 3.2 Gen1 ×2 、USB 3.2 Gen2 Type-A ×1 、USB 3.2 Gen2x2 Type-C ×1
raytrek ZQ-A4000 デメリット
・作業によってはGPUを活かしきれないかも
・一般モデルと比較すると高価である
raytrek ZQ-A4000は、業務用パソコンとして高い適正を有していることがわかりました。価格は高いですが、その処理能力や安心感で長時間の作業でも快適に動作してくれます。
ただしその専門性の高さからコスパはやや悪く、一般的なグラフィックを採用しているモデルよりもはるかに高価です。仕事で使うPCだから採算はある程度無視というのもあるでしょうが、誰しもに推奨できる製品ではないのかもしれません。
raytrek ZQ-A4000はこんな人におすすめ
- 予算に余裕がある人
- クリエイターやデザイナー
- ゲームも息抜き程度で遊びたい人
- 長く使えるPCを探している人
- 急ぎでパソコンが必要になった人
公式HP:https://www.dospara.co.jp
raytrek ZQ-A4000の感想まとめ
raytrek ZQ-A4000をレビューしてきました。
Core i7-12700KとGeForce RTX A400の処理能力を軸に、クリエイトやデザイン作業を効率的に行えるモデルです。忙しい人にとっては、処理時間の短縮化も課題ですが、安定性や静音性も大事になってくるでしょう。その点、本モデルは満足できる製品に仕上がっていると感じます。
ドスパラで販売されているパソコンは国内生産ですし、万が一の時は実店舗なんかで相談もできるので安心感があります。他にも多数のパソコンを販売しているので、チェックしてみても良いかもしれません!
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