パソコンの頭脳とも言われるCPUには、Intel製とAMD製があります。ここ最近では、第3世代(Zen2)Ryzenのコスパが抜群と言われていますが本当にそうなのか?を確認していきます。
対象はライトユーザー向けの「Core i5-11400」「Ryzen 5 3600」です。IntelとAMDのCPUにはどれくらいの性能差があるのかを比較します。
ベンチスコアをとったり、写真編集や動画のレンダリングにかかった時間も計測しました。このような比較はあまり目にしなかったので是非参考にしてください。
目次
Core i5-11400 vs Ryzen 5 3600
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
掲載されたスコアはPASS MARK社が開示しているデータであり、性能を約束するものではございません。
CPUスコア
CPU | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i5-11400 |
17507 | 3.6GHz(4.4GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i7-10700 | 17632 | 2.9GHz(4.8GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Core i5-10400 | 12915 | 2.9GHz(4.3GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Ryzen 7 3700X |
22742 | 3.7GHz(4.3GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Ryzen 5 3600 |
20036 | 3.6GHz(4.2GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i5-11400とRyzen 5 3700Xを比較してみると、Ryzen 5 3600のほうが約14%ほど高いスコアです。
Core i5-11400は第10世代のCore i7-10700と比較しても遜色ない性能を誇っており、RAW現像や動画編集でもしっかりと支えるCPUです。もちろんゲーミング性能も高い。
発売時期を考えると第11世代のIntel CPUが有利かと思いましたが、案外そうでもなさそうですね。相変わらずRyzenのコスパはいい意味でやばいです。
比較に使ったパソコン
名前 | GALLERIA RM5C-R36T | 自作パソコン |
画像 | NO PHOTO | |
CPU | Core i5-11400 | Ryzen 5 3600 |
GPU | RTX 3060Ti | RX5700 |
メモリ | 16GB | |
SSD | 512GB NVMe SSD | 256GB NVMe SSD |
HDD | – | 1TB |
レビュー | >レビューを見る | >レビューを見る |
今回はドスパラのゲーミングPCと、少し前に組んだ自作PCを引っ張り出してテストします。
ベンチソフトによる性能比較
CPU-Zによるスコア
Core i5-11400
Ryzen 5 3600
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i5-11400 | 588.1 | 4374.8 |
Core i5-10400 | 491.9 | 3626.8 |
Core i5-9400 | 450.5 | 2524.0 |
Core i7-10700 | 559.4 | 4841.8 |
Ryzen 7 3700X | 516.7 | 5560.9 |
Ryzen 5 3600 | 499.3 | 3970.2 |
ベンチ結果を見てみるとCore i5-11400が良い結果を出しました。シングルスレッドでは約18%高く、マルチスレッドが約10%高いです。先のPASSMARKの結果とは逆転したのが興味深いです。
特にシングルスレッドにおいては大きな差が出ており、RAW現像などの処理に直結すると考えられます。Intelの逆襲が始まるのか?気になります。
CINEBENCH R20によるベンチマークスコア
Core i5-11400
Ryzen 5 3600X
CPU | シングル | マルチ |
Core i5-11400 | 536 | 3225 |
Core i5-10400 | 448 | 3059 |
Core i5-9400 | 426 | 2370 |
Core i7-10700 | 492 | 3564 |
Ryzen 7 3700X | 504 | 4822 |
Ryzen 5 3600 | 485 | 3435 |
CINEBENCH R20のテスト結果は、シングルスレッドはCore i5-11400が約11%高く、マルチスレッドはRyzen 5 3600が約7%高くなりました。
特筆すべきはCore i5-11400のシングル性能の高さじゃないでしょうか?このクラスでは間違いなくトップクラスですし、Core i7-10700やRyzen 7 3700Xと比較しても存在感があると思います。
RAWの一括変換にかかった時間を比較
RAWの一括変換にかかった時間を測定するために、一眼レフで撮影した150枚(5GB)の写真を現像します。
CPU | 処理時間 |
Core i5-11400 | 4分45秒 |
Core i7-10700 |
4分47秒 |
Ryzen 7 3700X |
4分28秒 |
Ryzen 5 3600 | 5分39秒 |
RAW現像ではしっかりとした差がでており、Core i5-11400が速いという結果になりました。
写真現像は1コアあたりの性能が重要な部分もあるので、その点ではインテル製のCPUが有利に働いたようです。Core i7-10700と同等クラスの処理時間というのはちょっと驚きですね。
1枚あたりの負荷というか作業中には大きな差は感じませんが、大量に枚数を重ねていったり、手持ち機材のデータが重かったりするとRyzen 5では物足りなく感じるシーンがあるかもしれません。
動画のレンダリングにかかった時間を比較
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
モデル | 設定 | スコア |
GALLERIA RM5C-R36T | Core i5-114000×RTX3060Ti | 5分39秒 |
自作PC | Ryzen 5 3600×RX5700 | 5分05秒 |
GALLERIA XA7R-R36 | Ryzen 7 3700X×RTX3060 | 3分26秒 |
動画編集の書出時間は、Ryzen 5 3600の方が処理を速く終えました。
動画編集ではグラボの性能も大切になってきますが、RTX3060Tiに対して格下のRX5700でこの結果は見事といえるでしょう。
ただ編集作業中には大きな違いを感じるほどではなく、書出時間も計測してやっとわかるレベルの差です。日常的に編集作業を行うなら、少しでも速く処理を終えるPCを選ぶべきですが、たまに行う編集作業なら目くじらを立てるほどではありません。
Core i5-11400 vs Ryzen 5 3600 まとめ
・全体的にCore i5-11400が良好な結果を得やすい
・Core i5-11400のシングル性能は素晴らしい
・動画レンダリングはRyzen 5 3600がおすすめ
・コスパで見ると両者ともに優秀なCPU!
Core i5-11400とRyzen 5 3600を比較してきましたが、全体的にCore i5-11400の優秀さが目立つ形になりました。特にシングル性能に優れるというキャラクターは注目すべきポイントです。
ただしベンチ結果では、Ryzen 5 3600がマルチ性能の高さを見せるシーンもあり、動画編集などの作業においては有利になっています。もし現在進行系でRyzen 5 3600を使っているなら、無理にCore i5-11400に乗り換える必要はないかなと感じます。
おすすめパソコン
ドスパラ GALLERIA RM5C-R36T
グラフィックにGeForce RTX3060Tiを採用し、Core i5-11400の性能がしっかり活かせる構成です。ゲーミングでもクリエイト作業でも安心して行える人気のデスクトップです。今回のテストでも良好な結果を見せてくれました。
マウスコンピューター G-Tune PM-A
Ryzen 5 3600とGTX1650のライトユーザー向けの構成で、税込みで10万円強というコストパフォーマンスが魅力です!静止画中心のユーザーやカスタマイズベースとしてもおすすめできる1台です。
フロンティア GAシリーズ(台数限定モデル)
CPU | Ryzen 5 5600X |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 3060 Ti |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
フロンティアのGAシリーズの台数限定モデルです。今回は比較対象ではありませんが、最新のRyzen 5 5600XならインテルCPUと比較しても遜色ありません。グラフィック性能が高いので、4K動画編集や最新タイトルを遊びたいならおすすめ!国内生産の高品質なパソコンなので安心ですよ。
ドスパラ GALLERIA RM5C-G60
グラフィック性能がそこまで必要ない人には、GeForce GTX1660SUPERを採用したコチラのモデルがおすすめ。よりカジュアルに使える構成で、RTX3060Ti搭載モデルよりも安く購入できるのがポイントです。
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